労災保険法に基づく労働者災害補償保険
私はかつて民間企業の総務部で就業していました。業種が比較的危険な業務を伴うものだったので、政府労災は日常的に手続きをするものの一つでした。
政府労災とはいわゆる労災保険制度のことですが、労働者はあまり内容について詳しく理解しているとは言えません。実際に仕事中や勤務途上に怪我をして初めて、その制度の概要や保障内容を知るという労働者が多かったです。そして内容を詳しく説明すると、充実した保障に驚く方が多かったです。
確かに就業中、勤務途上は仕事に付随する行為のため、通常の健康保険制度と比べて、非常に手厚い保護がなされています。保険料についても健康保険は通常、労使折半がですが、政府労災は全額政府が負担します。また休業した際の日額の補償についても政府労災の方が約2割ほど増額されています。ただ、一方でこのような手厚い保護を知り不正に運用する事業者も存在するようです。
政府労災の利用が多かった事業者は翌年度以降の保険料率が上がります。それを防ぐために、勤務中に怪我をした労働者に対して「自己責任」などの理由をつけ労災を使わせず、健康保険で病院を受診する指示を出す事業も少なくないようです。
一方で労働者側も業務に起因するということで政府労災の申請をし、不正な受給を受けるケースも増えているようです。不正受給と疑われるケースが多いのは、腰痛、背中の痛みなど持病として持っていた症状を申請することだそうです。また、最近は鬱病の労災申請も急増しているため、詐病と疑われる鬱病の申請のケースも増えているようです。
私たちが安心して就労し、必要なときに必要な保障を受けられるように、政府労災の正しい運用が重要だと感じます。